知識は生きるためにある。生きる力を伴わない学びは、ただの情報になる。
9月26日、三条市の防災フェスタに出店する。
衣類の譲渡会を行い、駄菓子を販売し、そして子どもたちと一緒に天然素材の着火剤づくりを行う予定だ。
そのために先日、山へ入り、杉の枯葉を掻き集めてきた。
よく乾燥した杉の枯葉をトイレットペーパーの芯に詰め、新聞紙でキャンディーのように包む。
それだけで立派な着火剤になる。
特別な技術ではない。
昔から受け継がれてきた生活の知恵だ。
しかし、ボクはこうした体験こそ、これからの時代に必要な学びではないかと思っている。
今の社会では、知識を得ることが教育だと思われている。
良い学校に入り、良い成績を取り、多くの情報を覚える。
もちろん、それらは大切だ。
けれど、本当にそれだけで人は生きていけるのだろうか。
災害が起きたとき。
停電したとき。
物流が止まったとき。
誰かを助けなければならないとき。
人を支えるのは知識量ではない。
知恵と経験である。
火を起こす。
水を確保する。
モノを分け合う。
助けを求める。
助けに応じる。
本来、「生きる」という営みの中には、たくさんの実践知があった。
ところが便利さが進むほど、その知恵は見えなくなっていく。
そして見えなくなった知恵は、いつしか不要なものだと勘違いされる。
けれど本質は逆だ。
本当に大切なものほど、普段は見えないところに宿っている。
防災も同じである。
非常用品を備蓄することだけが防災ではない。
地域の人と顔見知りになること。
自然の恵みを知ること。
モノを大切に使うこと。
分け合う文化を育てること。
そうした日常の積み重ねこそが、非常時を支える力になる。
ボクは、防災とは「備える技術」ではなく、「生きる力を育てる文化」だと思う。
そして文化は、言葉だけでは継承されない。
体験によって受け継がれる。
杉の枯葉を拾うことも、着火剤を作ることも、小さなワークショップに見えるかもしれない。
しかしその奥には、「自然と共に生きる知恵を次世代へ渡す」という大きな意味がある。
伝統とは過去を守ることではない。
未来へ手渡す営みである。
子どもたちに何を残すか。
便利な仕組みだろうか。
それとも、生きる力だろうか。
防災フェスタで子どもたちと着火剤を作りながら、そんな問いを一緒に考えてみたい。
未来を守るのはモノではなく、人だから。
▪️PROFILE▪️
2011年、AND-ONを創業。
小規模企業・中小企業に寄り添う
独自のブランディング理論
「NANOBRAND」を確立。
2019年に
NANOBRAND合同会社を設立し、
企業支援と地域共創事業を展開。
その後、
新潟県三条市で
「三条ベース」を開設。
子どもの居場所づくり、
地域交流、高齢者支援、
障がい者自立支援、
資源循環を組み合わせた
課題相殺型コミュニティを実践。
現在はその経験を活かし、
中小企業の経営支援、
地域活性化事業、
社会課題解決型プロジェクトの
企画・運営を行う。
企業・行政・市民をつなぐ
「仕組家」として活動。
■ 主な実績
・独自ブランド理論
「NANOBRAND」を確立
・全国3,000社以上の
中小企業支援実績
・中小企業庁「ミラサポ」
ベストパートナー賞受賞
・2004年 グッドデザイン賞受賞
・三条ベース、
ZUPPE燕三条を開設・運営
・NIKS地域活性化大賞受賞
・新潟大学
地域共創特別演習(三条)
非常勤講師
■ 得意分野
・中小企業ブランディング
・経営戦略・事業構築支援
・地域活性化プロジェクト
・社会課題解決型事業の設計
・コミュニティデザイン
・課題相殺モデルの構築
・互助育プログラムの開発
企業の成長と地域課題の解決を
同時に実現する
「まちぐるみの仕組みづくり」を支援。
高橋 憲示
NANOBRAND合同会社
代表社員 CEO・仕組家
