ボクは近年、「課題解決」という言葉そのものに違和感を持つようになりました。
もちろん課題を解決することは大切です。しかし本当に向き合うべきものは、課題なのでしょうか。
地域づくりや企業支援、コミュニティ運営に携わる中で、多くの人がさまざまな「課題」を語ります。
人手不足。
後継者不足。
孤立。
空き家。
貧困。
居場所不足。
けれども、それらを丁寧に見つめていくと、その奥に存在しているのは課題ではなく、社会から発せられている「要求」のように思えるのです。
誰かが助けを求めている。
誰かが役割を求めている。
誰かがつながりを求めている。
誰かが未来へ何かを残したいと願っている。
つまり社会要求です。
そして社会要求そのものは、本来ネガティブなものではありません。
それは社会が生きている証でもあります。
仏教には「煩悩即菩提」という言葉があります。
「あれが欲しい」
「認められたい」
「もっと成長したい」
そんな煩悩は否定されるものとして語られがちです。
しかし本来、煩悩とは生きるエネルギーそのものです。
その向きが変わることで、悟りや智慧へと転換される。
だから煩悩を消す必要はなく、活かせばよいという考え方があります。
ボクはこの思想に、課題相殺の本質が重なって見えます。
例えば、人手不足で困っている企業があります。
一方で、自分の能力を活かす場所を探している人がいます。
ある地域には空き家があります。
一方で、居場所や活動の場を求めている人がいます。
高齢者が孤立しています。
一方で、誰かの役に立ちたいと願う人がいます。
それぞれがバラバラに存在すると課題に見えます。
しかし結び付いた瞬間に価値へと変わります。
不足は補完になり、
困りごとは役割になり、
孤立は関係性になります。
そこには解決ではなく、調和があります。
課題が消えたわけではありません。
ただ、適切な関係性の中で意味が変わったのです。
ボクが考える課題相殺とは、課題を解決する仕組みではありません。
社会要求と社会資源を結び直す仕組みです。
そして、その結び目をつくるのが人の役割なのだと思います。
だからボクは競争より補完を信じています。
誰かが勝つ社会ではなく、誰かの不足が誰かの価値になる社会。
誰かの困りごとが、誰かの使命を呼び覚ます社会。
それが「和」の本質ではないでしょうか。
見えないところで支え合い、補い合い、生かし合う。
本質はいつも表面には現れません。
人も地域も企業も同じです。
目に見える成果の奥には、無数のご縁と想いが存在しています。
ボクはこれからも、課題を探すのではなく、価値を見つけたいと思います。
なぜなら、
社会要求は課題ではない。
まだ結ばれていない価値だからです。
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プロフィール
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2011年、AND-ONを創業。
小規模企業・中小企業に寄り添う
独自のブランディング理論
「NANOBRAND」を確立。
2019年に
NANOBRAND合同会社を設立し、
企業支援と地域共創事業を展開。
その後、
新潟県三条市で
「三条ベース」を開設。
子どもの居場所づくり、
地域交流、高齢者支援、
障がい者自立支援、
資源循環を組み合わせた
課題相殺型コミュニティを実践。
現在はその経験を活かし、
中小企業の経営支援、
地域活性化事業、
社会課題解決型プロジェクトの
企画・運営を行う。
企業・行政・市民をつなぐ
「仕組家」として活動。
■ 主な実績
・独自ブランド理論
「NANOBRAND」を確立
・全国3,000社以上の
中小企業支援実績
・中小企業庁「ミラサポ」
ベストパートナー賞受賞
・2004年 グッドデザイン賞受賞
・三条ベース、
ZUPPE燕三条を開設・運営
・NIKS地域活性化大賞受賞
・新潟大学
地域共創特別演習(三条)
非常勤講師
■ 得意分野
・中小企業ブランディング
・経営戦略・事業構築支援
・地域活性化プロジェクト
・社会課題解決型事業の設計
・コミュニティデザイン
・課題相殺モデルの構築
・互助育プログラムの開発
企業の成長と地域課題の解決を
同時に実現する
「まちぐるみの仕組みづくり」を支援。
高橋 憲示
NANOBRAND合同会社
代表社員 CEO・仕組家
