人は不足で苦しむのではない。
感謝を忘れたときに苦しみ始める。
佐渡市虫崎で暮らすメレパレカイコのふたりが、佐渡へ移住して5年を迎えた。
限界集落と呼ばれる虫崎での暮らしは、都会の価値観から見れば不便かもしれない。しかし、ボクにはその暮らしの中に、人が人らしく生きるための本質があるように感じる。
現代社会は便利になった。
欲しいものはすぐ手に入る。
困ればサービスが解決してくれる。
効率は上がり、移動も速くなった。
多くの人は、それを豊かさだと考える。
もちろん、それ自体が悪いわけではない。
けれども、便利さが増すほど、人は自然との関係性を失い、自分ひとりの力で生きているような錯覚に陥りやすくなる。
本来、人は自然の一部であり、誰かとの関係性の中で生かされている存在だ。
海があり、山があり、雨が降り、誰かが働き、支えてくれるから今がある。
しかし現代社会は、その見えない支えを見えにくくしてしまった。
すると人は有るものより、無いものを見るようになる。
足りないものを探す。
他人と比べる。
もっと欲しいと思う。
もっと評価されたいと思う。
その結果、豊かになったはずなのに満たされなくなる。
ボクは、人間の苦しみの多くは不足そのものではなく、比較から生まれているように思う。
摂理とは特別な教えではない。
生かされていることへの感謝と、その恩を次へ返していく循環そのものだ。
虫崎では、そのことを忘れて暮らすことが難しい。
自然に感謝する。
食に感謝する。
ご縁に感謝する。
地域で補い合う。
競争より補完が当たり前になる。
そこでは効率よりも調和が生まれ、人と人との間に和が育まれていく。
だからボクは思う。
生き地獄とは、誰かから与えられる罰ではない。
摂理から離れ、比較と不足の中で生き続けることで、自らつくり出してしまう心の状態なのではないだろうか。
これから社会はさらに便利になる。
AIも進化し、あらゆる仕組みが高度化していくだろう。
だからこそ大切になるのは、人間性である。
有るものに感謝し、その恩を誰かへ手渡していくこと。
それが地域循環であり、互助であり、和の実現なのだと思う。
便利さを追い求める時代の先で、私たちは何を豊かさと呼ぶのだろう。
その問いに向き合う人から、本来の人間らしさを取り戻していくのかもしれない。
▪️プロフィール▪️
2011年、AND-ONを創業。
小規模企業・中小企業に寄り添う独自のブランディング理論「NANOBRAND」を確立。
2019年にNANOBRAND合同会社を設立し、企業支援と地域共創事業を展開。
また、2016年に開設した
「三条ベース」では、
子どもの居場所づくり、
地域交流、高齢者支援、
障がい者自立支援、
資源循環を組み合わせた
課題相殺型コミュニティを実践。
現在はその経験を活かし、
中小企業の経営支援、
地域活性化事業、
社会課題解決型プロジェクトの企画・運営を行う。
企業・行政・市民をつなぐ
「仕組家」として活動。
■ 主な実績
・独自ブランド理論
「NANOBRAND」を確立
・全国3,000社以上の
中小企業支援実績
・中小企業庁「ミラサポ」
ベストパートナー賞受賞
・2004年 グッドデザイン賞受賞
・三条ベース、
ZUPPE燕三条を開設・運営
・NIKS地域活性化大賞受賞
・新潟大学
地域共創特別演習(三条)
非常勤講師
■ 得意分野
・中小企業ブランディング
・経営戦略・事業構築支援
・地域活性化プロジェクト
・社会課題解決型事業の設計
・コミュニティデザイン
・課題相殺モデルの構築
・互助育プログラムの開発
企業の成長と地域課題の解決を同時に実現する
「まちぐるみの仕組みづくり」を支援。
高橋 憲示
NANOBRAND合同会社
代表社員 CEO・仕組家
