私たちは今、多くの複雑な社会課題に直面しています。
少子高齢化、福祉の担い手不足、深刻なフードロス、増え続ける空き家……。
どれも一朝一夕には解決できない重いテーマばかりですが、これらを「バラバラに解決しようとするから難しくなる」のだとしたらどうでしょうか?
今回ご紹介したいのは、NANOBRAND合同会社のCEOであり、当メディアが注目する高橋憲示氏が提唱する「課題相殺(かだいそうさい)」という考え方です。
一見するとまったく異なる社会の「困りごと」を町ぐるみで掛け合わせ、お互いのマイナスをプラスへと相殺していく。これこそが、これからの地域社会に必要な「共同創造(コ・クリエーション)」のチカラです。
世の中の社会課題は、大きく分けると2つのベクトルが存在します。
「課題相殺」とは、これらを単体で解決しようとするのではなく、各省庁が抱えるテーマを横断し、立体的に掛け合わせるソーシャルビジネスの仕組みです(画像「image_0d170a.png」参照)。
例えば、以下のような「掛け算」が地域の中で生まれています。
これらは単なるボランティアではなく、持続可能な「ソーシャルビジネス」として構築されています。
この「課題相殺」は、決して机上の空論ではありません。すでにこの思想に共鳴し、地域の「いらない(削減課題)」を「だれかの助かる(支援課題)」へと美しく変換しているユニークな事業やプロジェクトが稼働しています。
新潟の方言で「おあいこ」「おたがいさま」を意味する言葉に由来する、日本初の常設ギフトエコノミーストア(物々交換所)です。家庭で使われなくなった衣類や雑貨、書籍などの不用品を持ち寄り、必要な人に無料で譲る仕組みを通じて、ごみの減量化と子育て世代や生活困窮者の家計負担軽減を同時に実現しています。
高齢者の生前整理や家の片付けなどで手放される「古い着物」を、ただ廃棄するのではなく回収・洗浄・解体し、新たな価値を持つ製品や素材として再生させるプロジェクトです。地域の縁起や物語を紡ぎ直し、モノの寿命を延ばす取り組みを行っています。
近年、新潟の海で漁獲量が増えているものの、小骨が多く調理が難しいため市場で敬遠されてきた未利用魚「エソ」に着目した水福連携プロジェクトです。障がい者就労支援施設と連携してエソの下処理や焼き干し加工を行うことで、水産資源の有効活用(フードロス削減)と、福祉就労の場づくり・所得向上を同時に達成しています。
観葉植物とリメイク鉢のお店「888(ハッパとハチ)」が取り組む、植物のライフエンド(終活)に寄り添うサービスです。高齢や引越し、オフィスの閉鎖などで育て続けることが難しくなった植物を責任を持って引き取り、丁寧に育て直して次の使い手へと繋ぎます。植物の命を無駄にせず、育てる人の心理的負担も軽減する仕組みです。
では、この「課題相殺」の輪を私たちの地域で広げ、本当の意味での「共同創造」を実現するためには、何が必要なのでしょうか?
それは、地域を担う個々が、自分自身の使命に目覚めて自覚することです。
「誰かがやってくれるだろう」という他人事ではなく、「自分には何ができるか」「何のためにこの地域で生きるのか」という自らのミッションに気づくこと。そして、その使命に基づいた小さな事業やアクションを、一人ひとりが実際に起こしていくことです。
そして最も大切なのが、「和によってつながる」ということ。
強い個が孤立するのではなく、お互いの凸凹(強みと課題)を認め合い、「和」の精神でつながることで、町全体がひとつの大きな、温かいエコシステムへと進化していきます。
あなたの周りにある「もったいない」や「困った」は、もしかしたら別の誰かの課題を解決する最高のピースかもしれません。
一人ひとりの使命の目覚めと、それらを繋ぐ和のチカラ。
私たちと一緒に、この「課題相殺」の視点から、新しい地域の未来を共同創造していきませんか?
