2025年7月8日
賑わいとは何か?
非日常では、日常は生まれない
「イベントとは、日常と異なる特別な時間を提供するものだ。だが、それだけでは“賑わい”は生まれない」
多くの地域が、集客の手段としてイベントを繰り返している。だが本質的には、“イベント”と“賑わい”は異なる概念である。
イベントは一過性。賑わいとは、継続だ。
賑わいとは、日常的に人が自然と集まり、そこに関係性と循環が生まれていくこと。
それを実現するのは、「地域の生活ニーズに応える事業」に他ならない。日々の暮らしに必要とされ、通いたくなる。そんな場であり、仕組みである。
だからこそ考えるべきは、「人を集めること」ではない。
お客様が「来てしまう」ような存在となること。つまり、期待を越えて応え、日常の中に自然と入り込むことが本質である。
そのためには、ただ“世の中に求める”のではなく、“世の中に与える”ことが重要だ。
与えることで共感が生まれ、信頼が積み重なり、やがて「場の力」が育っていく。
事業を革新するのは、手法ではなく、姿勢である。
来てもらうのではなく、来てしまう。求めるのではなく、与える。
地域の“賑わい”とは、そうした事業と暮らしが響きあい、共に耕されていくプロセスなのだ。