杉の葉から生まれる「やさしい火」
— 障がい者支援と里山再生をつなぐ着火剤プロジェクト —
群馬県太田市のNPO法人エンゼルランプでは、障がい者の自立支援と地域資源の循環を両立する新しい取り組みが始まっています。
それが、杉の葉を活用した自然由来の着火剤づくりです。

自然と人の手でつくる「火の種」
アウトドアや防災時に欠かせない着火剤。
しかし市場には、グリスや廃油など化学的な素材を使ったものが多く、環境負荷や安全性の面で課題が残っています。
そこで同法人は、山林に大量に積もったままの杉の落葉に着目。
トイレットペーパーの芯と新聞紙を使い、誰でも手作業でつくれる着火剤の仕組みを考案しました。
原料はすべて身近にあるもので、仕入れ原価はゼロ。
まさに「自然と人の手の協働」で生まれる火の種です。
福祉作業としての可能性
この着火剤づくりは、障がいのある方々が参加できる実用的な福祉作業です。
工程はシンプルで安全、完成品はアウトドアや防災用品として販売可能。
「つくること」がそのまま社会参加につながり、地域の循環経済を支える一歩になります。
里山への敬意と摂理の循環
杉の葉が地面を覆うことで、ドングリなどの木の実が育たず、生態系が乱れる現状があります。
この着火剤は、そうした里山の課題を解く循環の一部でもあります。
使う人が自然に感謝し、摂理に沿った生き方を選ぶ。
その意識が、火を灯す瞬間に宿るのです。
一つの火に宿るストーリー
火を起こすという行為は、古来より人と自然の対話でした。
この着火剤には、「環境への敬意」「人の役割」「地域の循環」という物語が込められています。
それは単なる道具ではなく、生き方の象徴です。
