目立つことは、自立への成長過程だと考えます。
人間の承認欲求は、まずは自己肯定感から高めなければならない。他人に褒められるという事象は何歳になっても快感に感じるものです。
しかし、ある時を境に目立つことに意味を見出さなくなる。
特に経営者は、成長の過程で『世の中の実利』を考えるようになる。自ずと取材回数も増えるため、いちいち大騒ぎすることも減ってくる。
自立することで『姿勢』が変わるのだ。
目立つことと自立は、一見似て非なるものです。
現代社会において、SNSやメディアの影響で一時的な注目を浴びることが容易になりました。
多くの人々が承認欲求を満たすために、目立つ行動を選択します。しかし、その光は瞬く間に消え、次々と新たな刺激を求める結果を招くのです。目立つことで得られる安心感も、あくまで一時的なものであり、その背後には常に空虚さが横たわっています。
本当の自立とは、他者の役に立つ行動を通じて築かれるものであり、自己を超えた視点で他者を助ける力にあります。
自分の知識やスキルを活かし、周囲の困りごとを解消することで互いに補い合う関係が生まれます。このような関係性こそが、真に頼りにされる存在へと昇華させ、結果として自然に人が寄ってくる力となるのです。
自立した人は、決して自己顕示欲に頼らずとも、その内面的な強さと柔らかさで周囲に信頼を与えます。自分にとっても、そして他者にとっても当たり前の生き方が実現されると、外見的な目立ち方に固執する必要はなくなります。人は、しっかりとした基盤を持つ存在に自然と引き寄せられるのです。
承認欲求を追い求めるのではなく、自分の存在が他者にとって本当に価値あるものであると実感できる瞬間、それこそが真の安定と幸福への道と言えるでしょう。
この考え方は、個人だけでなく、社会全体の成熟にも寄与します。互いに助け合い、堅固な信頼関係を築くことで、人と人との絆は深まり、やがて大きなコミュニティへと発展します。目立つことではなく、必要とされることでこそ、一人ひとりが輝きを放つ—そんな生き方こそが、現代における最も価値のある道であると感じます。
明日は新潟大学の課外授業
学生たちに真の価値を見出せる人間となるように伝えていきます。