がん治療をしながら日常生活を送る患者が増えるなか、見た目の変化は大きな不安材料だ。とくに女性にとって苦痛になるのが脱毛だ。
国立がん研究センター中央病院が抗がん剤治療中の患者638人を対象に行ったアンケート調査「抗がん剤による副作用の苦痛度ランキング」(2009年)によると、女性の1位は「頭髪の脱毛」。ほかにも眉毛やまつ毛の脱毛、爪がはがれる、顔のむくみや変色、シミなど、見た目に関する悩みが20位中半分以上を占めている。一方、男性の1位は「全身の痛み」で、頭髪の脱毛は18位。痛みに関する悩みが大半だ。女性は男性と比べて見た目の変化を苦痛に思う人が多く、とくに脱毛がつらいと感じていることがうかがえる。
国立がん研究センターが提供する「がん情報サービス」によれば、抗がん剤治療を行うと3~4週間ほどで脱毛が始まるという。ただし、抜け方には抗がん剤の種類や使う期間、量などによって個人差があり、1週間から10日ほどで抜け始める人も。
抗がん剤治療をすると、なぜ脱毛するのだろうか。がん情報サービスの説明をまとめると、抗がん剤を用いた化学療法は、細胞の増殖を防ぐことでがんが増えるのを抑えたり、成長を遅らせたり、転移や再発を防いだりする。その際、がん細胞だけでなく、皮膚や腸管、骨髄、毛根の細胞(毛母細胞)など、細胞が分裂・増殖することで機能を維持している組織や器官にも影響が起こる。毛母細胞が増えないと、髪の毛の新陳代謝も行われず、抜けてしまうのだ。当然、頭髪だけでなく、眉毛もまつ毛も体毛も、体中の毛という毛がすべて抜ける。ただし、すべてが同時に抜けるわけではなく、それぞれの毛の生えかわりのサイクルや、抗がん剤の細胞増殖を抑制する時期によって抜ける時期は異なる。
抗がん剤治療を終えると数か月でまた生えてくるので、一時的な症状ではあるが、「髪は女の命」ともいえるほど、女性にとって大切なものだ。脱毛による精神的な苦痛は計り知れない。
がん治療をしながら日常生活を送る患者が増えるなか、見た目の変化は大きな不安材料だ。とくに女性にとって苦痛になるのが脱毛だ。
新潟県見附市はニットの産品として地場産業を支えてきた産地。
主にアパレル産業の下請けをしている企業が多く、ファストファッション業界の台頭や生産を海外にシフトするアパレルメーカーが多い現状の中、産業は衰退の一途をたどっています。
新潟県見附市の「有限会社関栄ニット」は長年にわたり、アパレル産業を支えてきた職人の技術やデザインを抗がん剤治療でストレスを抱えるがん患者の皆さんに役立てるため「医療用ニット帽子」の自社ブランドamuamu(アムアム)を設立した。
豊富なデザインとカラー、素材、そしてそれらを組み合わせて生まれる編み方のバリエーションがamuamuのケアニットの特徴
アパレル業界を支えてきた技術で生み出されることにより従来の医療用ニット帽子にはないファッション性の高い製品となっている。
製品ラインナップの中には長年製造を行ってきた際に排出される残糸を使用し、カラーバリエーションを増やすことに成功したのも特色となっている。
製品は7g~15gと鳥の羽を持っているような軽さでストレスを与えない軽快なかぶりごこち、オーガニックコットンなどの自然素材にこだわり通気性が高く、機能面でも優れている。
メーカーの関口社長は女性の抗がん剤治療による最大のストレスである「脱毛」に対して、従来になかった商品バリエーションをそろえることによってファッションを楽しめるような感覚で気持ちも軽やかにすごしてほしいと今後のラインナップ増に対しても意欲的だ。
メーカーブランドサイト amuamu
http://pileknit.jp/