地方創生の現場では、「にぎわい」をつくることが目的化されがちだ。イベントを打ち、SNSで話題を集め、人通りを増やす。確かに街は賑やかに“見える”。しかし、それはあくまで「集客」であり、本来の意味での「にぎわい」とは程遠い。
にぎわいとは、本来 日常の中にあるもの だ。
平日でも人が通い、地元の店が売上を立て、雇用が生まれ、税金が回収される。こうした日々の営みが積み重なって初めて、持続可能なにぎわいが生まれる。
にもかかわらず、行政職員の多くが「にぎわい」という言葉の本質を理解していない。来場者数や一時的な消費額を「経済効果」として語るが、それは“説明しやすい数字”に過ぎず、市民が実感する経済効果とは大きく乖離している。
現場では、次のような構造的な問題が繰り返されている。
市民目線での経済効果とは、
地元の店が続き、雇用が安定し、税収が回収され、生活が少し楽になること。
この循環が起きて初めて、「税金が回収されている」と言える。
対策の方向性
では、どうすれば「にぎわい」だけで終わらず、持続的な経済循環を生み出せるのか。
地方の活性化は、箱を作ることでも、イベントを打つことでもない。経済が小さくでも確実に回り、それが続き、広がっていくことで、結果として「にぎわい」が生まれる。順序を間違えれば、残るのは空き箱と維持費だけだ。
本当に意味のある経済効果とは、生活に返ってくるもの。その実感がなければ、どれだけ数字を並べても、地域の未来にはつながらない。
■ 本質的なまちづくりに必要な視点
本当に地域全体の経済を回すためには、市民の家計負担を軽減し、可処分所得を増やすこと が不可欠だ。
そのためには、貨幣経済だけに依存するのではなく、贈与経済の視点を取り入れ、市民が一丸となって支え合う仕組み が必要になる。
その代表的な取り組みが 三条ベース だ。
現在、燕市や新潟市にもベースが運営され、さらにこの4月には新たに2拠点が増える。これは、民間主体で「まちぐるみのまちづくり」を実現するモデルであり、地方行政が不得意とする 市民主体の役割分担 を補完しながら、地域の活性化を促進する取り組みである。
■ いまこそ官民ともに“卒業”すべき時
お役所任せ、お役所仕事――
この構造から脱却しなければ、地域の未来は変わらない。
必要なのは、
本質的で、効果の高いまちづくり戦略を官民が共に実行すること。
そして、その根底に不可欠なのが 「和」 である。
対立ではなく、分断でもなく、
市民・行政・事業者が互いを補い合い、循環を生み出す“和の仕組み”。
これこそが、持続可能な地域経済をつくる唯一の道だ。
互助育研究所─
─市民が主役のまちづくりへ
まちづくりとは、本来、地域住民一人ひとりが主役となる営みです。
互助育研究所は、その本質を取り戻すために、多様な業界のプレイヤーが共創できる仕組みづくりを進めています。
この会員制サロンは、「地域住民誰一人取りこぼさない」という理念のもと、互いに助け合いながら共に育ち合う「互助育」の思想を軸に、民間主導で地域の未来を描いていく場です。
毎月第3土曜日に開講しており、本日は13:30より開催いたします。次回は2月21日(土)を予定しています。
行政任せのまちづくりではなく、行政の不得意とする「市民主体の役割分担」を民間が担うことで、地域の活性化を促進することができます。
