自分らしく活かされるためのブランディング

それは本当の『まちづくり』か?

地方創生の現場では、「にぎわい」をつくることが目的化されがちだ。イベントを打ち、SNSで話題を集め、人通りを増やす。確かに街は賑やかに“見える”。しかし、それはあくまで「集客」であり、本来の意味での「にぎわい」とは程遠い。

にぎわいとは、本来 日常の中にあるもの だ。
平日でも人が通い、地元の店が売上を立て、雇用が生まれ、税金が回収される。こうした日々の営みが積み重なって初めて、持続可能なにぎわいが生まれる。

にもかかわらず、行政職員の多くが「にぎわい」という言葉の本質を理解していない。来場者数や一時的な消費額を「経済効果」として語るが、それは“説明しやすい数字”に過ぎず、市民が実感する経済効果とは大きく乖離している。

現場では、次のような構造的な問題が繰り返されている。

  • 人は多いが購買につながらない
  • 売上は一部の店に偏り、他は苦しい
  • 平日や雨の日には客足が途絶える
  • 固定費だけが残り、店が疲弊する
  • 税金を使っても生活に還元されない感覚が市民に残る

市民目線での経済効果とは、
地元の店が続き、雇用が安定し、税収が回収され、生活が少し楽になること。
この循環が起きて初めて、「税金が回収されている」と言える。

対策の方向性

では、どうすれば「にぎわい」だけで終わらず、持続的な経済循環を生み出せるのか。

  1. 小さく経済を回すことから始める
     まずは地元の店が平日でも売上を立てられるような仕組みをつくる。派手さよりも継続性。
  2. 地元住民の定着と目的性を重視する
     観光客だけでなく、地元の人が「通う」「買う」「働く」ことができる環境を整える。
  3. 税金の使い方を循環型にする
     補助金が一部の売上で止まるのではなく、雇用や税収に繋がるような設計が必要。
  4. 成果の測定を市民感覚に寄せる
     「最近ちょっと良くなったよね」という声が出るかどうかを、成果の指標にする。
  5. 店同士をつなぐ仕組みをつくる
     単体で戦うのではなく、地域全体で価値を循環させる連携が鍵になる。

地方の活性化は、箱を作ることでも、イベントを打つことでもない。経済が小さくでも確実に回り、それが続き、広がっていくことで、結果として「にぎわい」が生まれる。順序を間違えれば、残るのは空き箱と維持費だけだ。

本当に意味のある経済効果とは、生活に返ってくるもの。その実感がなければ、どれだけ数字を並べても、地域の未来にはつながらない。


■ 本質的なまちづくりに必要な視点

本当に地域全体の経済を回すためには、市民の家計負担を軽減し、可処分所得を増やすこと が不可欠だ。
そのためには、貨幣経済だけに依存するのではなく、贈与経済の視点を取り入れ、市民が一丸となって支え合う仕組み が必要になる。

その代表的な取り組みが 三条ベース だ。

現在、燕市や新潟市にもベースが運営され、さらにこの4月には新たに2拠点が増える。これは、民間主体で「まちぐるみのまちづくり」を実現するモデルであり、地方行政が不得意とする 市民主体の役割分担 を補完しながら、地域の活性化を促進する取り組みである。


■ いまこそ官民ともに“卒業”すべき時

お役所任せ、お役所仕事――
この構造から脱却しなければ、地域の未来は変わらない。

必要なのは、
本質的で、効果の高いまちづくり戦略を官民が共に実行すること。

そして、その根底に不可欠なのが 「和」 である。
対立ではなく、分断でもなく、
市民・行政・事業者が互いを補い合い、循環を生み出す“和の仕組み”。
これこそが、持続可能な地域経済をつくる唯一の道だ。


互助育研究所─
─市民が主役のまちづくりへ

まちづくりとは、本来、地域住民一人ひとりが主役となる営みです。
互助育研究所は、その本質を取り戻すために、多様な業界のプレイヤーが共創できる仕組みづくりを進めています。

この会員制サロンは、「地域住民誰一人取りこぼさない」という理念のもと、互いに助け合いながら共に育ち合う「互助育」の思想を軸に、民間主導で地域の未来を描いていく場です。

毎月第3土曜日に開講しており、本日は13:30より開催いたします。次回は2月21日(土)を予定しています。

行政任せのまちづくりではなく、行政の不得意とする「市民主体の役割分担」を民間が担うことで、地域の活性化を促進することができます。

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この記事を書いた人
NANOBRAND合同会社 代表社員 兼 CEO(仕組家) 1971年、新潟県三条市生まれ。メーカーでブランディング、商品開発を修得したのち2011年に現法人であるNANOBRAND.LLCの前身の事業、AND-ONを創業する。 社会課題解決型ビジネスで持続可能な未来を実現するため、3000社以上の経営者を支援し、民間企業連携による循環社会の形成や官民協働の仕組みを構築する。 2015年に立ち上げた三条ベースは、社会課題解決をテーマにしたソーシャルコミュニティスペースとなっており年間のべ1万人以上が来場する。現在は行政・団体からの視察受け入れや講演活動を精力的に展開する。
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